今年の2月頃、老母を定期健診のため、隣接する市の病院に連れて行ったときのこと。
受付、採血を済ませて、診察待ちで長時間、座って待っていた。
スマホの気になるニュースもなく、テレビもつまらなく、眠いけど眠れず、ボーっとしていたら、目の前のイスに派手なオレンジのトレーナー来たお爺さんが座った。
院内は、黒とかグレーとか地味な色合いの装いの人ばかりだったから、目を惹いた。
アウトドア系のトレーナーか・・・と思ったら、背中に、「亀」の文字が――。
お爺さんは、なんとドラゴンボール、亀仙人のトレーナーを着ていた!
孫のお古を知らずに着ているのか・・・。
しばしあっけに取られていたら、亀仙人のお爺さんは、割合すぐに呼ばれて席を立った。
ブログ用に、証拠写真を撮っておけばよかったかなぁ・・・とちょっと悔やんだけれど、盗撮するのもどうかと思った。
前の席が空いたら、ほどなく野球帽を後ろ向きにかぶった別のお爺さんが、リュックと大きなポリ袋を両手に持って別の席からノソノソ移動してきた。
診察室に近いからか、テレビが良く見える席からか、そのお爺さんは、とにかく荷物をドカッと置いて座った。
目の前があたらしいお爺さんに変わっても、頭の中はまだ、亀仙人のお爺さんの写真を撮らなくてもったいないなかったなぁ・・と引きずりながら気晴らしにスマフォをいじっていたら、視線の先にあるお爺さんの頭が気になり、視線を上げたら、野球帽にオニヤンマがくっついて、一瞬、ドキッとした。
虫よけグッズであるオニヤンマ君の存在は、山登り系のユーチューブ動画で知っていたが、実物を見たのは初めてだった。
至近距離で、しかも冬だったから、かなりのインパクトがあった。
作夏に蚊除けにくっつけて、そのまま付けっぱなしパターンだろうが、取るのが面倒なのか取るのを忘れているのかといえば、忘れている雰囲気の老人だった。
あまりに立てつづけで、出来すぎている感じだから、盛ってないよホントの話だよとスマホで撮影しよう思ったけれど、そもそも亀仙人を撮ってないから、オニヤンマ爺さんだけ撮っても片手落ちのような気がして、撮らなかった・・・。
ということで、証拠写真はナシ、盗撮はしなかった。
で、先日、ネットニュースをなんとなく見ていたら、オニヤンマくんが売り上げ好調、という記事が目についた。
なんでもカカシをヒントに作ったらヒット商品になったようだ。
ちょうど畑仕事のとき、顔にまとわりついてくるブヨなどの細かいツンツン系の虫に悩まされていたから、効くのか!とホームセンターに行ったついでに買ってみた。
翌早朝さっそく、帽子のテッペンに付け、草をむしりながら植え替え作業をした。
いつものように草から細かい虫が飛び出て、顔にまとわりつかれ、おまけに右耳をかるく食われてかゆくなった。
なんというか、ウソみたいに効かなかった・・・。