3年前?くらいの今時期、たまたま行き会った年上の農家(定年後、専業農家)のSさんから、「肥料(春肥)くれてる?」と聞かれた。
※くれてる=葱に肥料を与えてる
なんでも、近所の若い隊(地方協力隊)の人と話をしたら、肥料(春肥)くれてない、と言われ、迷いはじめたらしい。
肥料のタイミングはもちろん、種蒔き時期、植え付け時期など農事は、天候や気温を見計りながら日を決めるが、悩む人も多く、そういう人は他の農家に聞いたり合わせたりしてる。
自分も非常に悩むけど、人に聞いたりネットで調べたりはあまりせず、自分が経験してきた過去のことをほじくり返し、いろいろなことを考えめぐらせて自分で決断する、変な話、出来不出来を左右する決断をすることが農家の醍醐味のような気がする。
たとえば、去年の秋の種蒔き時期、あまり早く蒔くと、植えた苗にネギ坊主が出やすくなる、というような情報が出回った。
自分は例年通り10月中旬から下旬に蒔いたが、11月に蒔いた人の苗はあまり大きくならず春の植え付けに困っていた。(播種後の雨量の違いと思われる)
また去年は、5月過ぎに植え始めた、遅植えの人の葱の育ちが秋ごろまで良くなかったが、ことしは逆に、4月の早めに植えた苗の育ちがよくない(今のところ)。
2例挙げたが、そのときの降雨や気温のわずかな差異で、良し悪しが左右されることが多い。
(本場・下仁田ねぎは、品種改良されている野菜とちがって在来種野菜なので、よけい天候に影響されやすい)
で、春肥くれるか否か、に戻ると、自分はくれますよ、夏の植え替え前にある程度育ってないと、夏の植え替えに耐えられない。体力のないちいさい苗(若ねぎ)だと、植え替えてしばらく日照りがつづいたり降雨がないと、植え替えた時よりちいさくなって、そのまま大きくならないパターンがけっこうある。
だから、苗の成長具合をみて、くれてます、と答えた。
その一方で、猛暑がつづく近年、夏前はなるべく肥料を控えたほうが良い、という話も耳にしている。
今回、最初に植えた畑2枚の苗があまり育っていなくて、ちょっと気がかり。
過去の記憶から苗の感じ・具合をみて、軽くくれておこう、と決めた。
ことしは、苗の植え付けを6作~8作程度、シマにして細かくわけて植えている(作間・株間を広げる夏の植え替え時、つっかえないように)。
なので、せっかくだから春肥を3種類、シマごとに分けて蒔くことに。
まるねぎ¥3510 オール14¥2460 下仁田葱専用¥3570
ひとシマ肥料桶の3目盛り程度、雨前に薄く蒔いた。
はたして、どうなるか。